日本癌治療学会禁煙宣言

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 日本癌治療学会禁煙宣言について,総務委員会において原案を作成し理事会の決定を経て,平成17年10月26日に開催された第43回日本癌治療学会総会において次のとおり承認されました。

会員各位におかれましては,癌予防等に資する禁煙の推進を図るというこの宣言の趣旨をご理解の上,各宣言事項を銘記していただき,本学会の禁煙推進の取り組みにご協力賜りますようお願い申し上げます。

平成17年11月14日
日本癌治療学会
理事長 門田 守人

 

 

「日本癌治療学会禁煙宣言」


 近年,受動喫煙を含む喫煙による健康への悪影響に関して科学的知見が十分に集積され,世界的にその認識が普及してきた。また,国内の学会,医療関係団体,行政機関等による,禁煙キャンペーンや喫煙の健康への悪影響を周知する活動が盛んになっている。今日では,喫煙と健康を巡る国民の意識が高まり,「健康増進法」における受動喫煙禁止の努力義務規定に基づいて公共の施設内の受動喫煙対策が進み,我が国においてもWHO(世界保健機関)の策定した「たばこ規制枠組み条約」が批准されて,健康警告表示やたばこ広告の規制強化が実施されるなど,行政やたばこ業界における具体的な対策が進んでいる。

日本癌治療学会の目的は,癌の予防,診断及び治療に関する研究の連絡,提携及び促進を図り,癌医療の進歩普及に貢献し,もって学術文化の発展及び人類の福祉に寄与することである。すなわち,喫煙によりリスクの高まる代表的疾患である癌から人々の健康を守るために活動を行っている。
本会を含む多くの学会等における癌予防の研究により,禁煙は,癌予防における最も有効な方法のひとつとして科学的根拠が確立していることから,本会としては禁煙を全ての人々に勧める必要がある。さらに未成年者の喫煙問題に関しては,未成年者保護の観点のみならず,癌予防の観点からも決して喫煙させないことが必要である。

本会は,禁煙の推進に関する近年の国内外のたばこ対策の流れを,本会の掲げる目的に適う妥当なものと考えている。そのため,禁煙を推進するための社会環境の整備を一層促進するため,本会総会学術集会において禁煙の推進に関する以下の事項を決定するとともに,今後継続的に一層の具体的な禁煙推進のための取り組みを行っていくことを決意し,ここに宣言する。

 

日本癌治療学会は,
 
(学会員の取り組み)
1.
本会の会員及びその運営に関与する者は,喫煙しないよう,また,禁煙するように努め,本会全体の禁煙に協力しその推進に努める。
2.
未成年者を含む全ての国民に対し,あらゆる機会に受動喫煙を含む喫煙の健康に対する悪影響を分かり易く説明し周知する。
3.
学会員の所属医療機関や研究機関において,施設等の全面禁煙化に協力しその推進に努める。
 

(学会全体の取り組み)

4.
本学会の評議員は,全て非喫煙者により構成することを目指す。
5.
総会学術集会においては,会場内を全面禁煙とし,敷地内も全面禁煙とするよう努める。
6.
学術集会及び学会機関誌において,たばこ産業及びその関係団体からの研究助成による研究成果を発表する際は,その旨を明示する。
7.
学術集会における演題の採択に当たっては,喫煙の健康影響に関する演題は一層慎重に査読を行い,喫煙の健康に対する悪影響が不明確にならないように努める。
 

(我が国のたばこ対策に関する取り組みへの要望)

8.
たばこ製品の広告及び健康警告表示の規制,並びに未成年喫煙対策やそのための自動販売機の規制を一層強化するよう要望する。
9.
たばこ対策の先進的取り組みを行っている国の価格水準を目指し,たばこ価格を引き上げることを要望する。
10.
たばこ税を癌を含む喫煙関連疾患の対策に活用することを要望する。
 

平成17年10月26日
日本癌治療学会理事長 北島 政樹
第43回日本癌治療学会学術総会会長 大野 竜三